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2008年4月 1日 (火)

美しい刺繍の小物 Ⅰ

Img_0139_2 これは 母の実家にあった

古い刺繍の懐紙入れです。

貝合わせの貝に桜があしらわれて

います。

かなり古いもので黒の絹糸は

劣化して切れています。生地はビロードで赤茶のような色

ですが、もとはもっとあざやかだったでしょう。

Img_0137_2 これは裏側です。

桜の花びらは刺繍ではなくて

アップリケです。

右側の貝は厚紙を貝の形に

切ったものを貼り付けた上から

金糸で縫いきりしてあります。 長くわたしてある金糸はまったく

留めてありません。 表側の左右の貝には金糸で平埋めした

上にさらに細かい上掛け模様がほどこしてあります。

Img_0140 さて こちらは男物の札入れです。

地を埋めている唐草もよう以外は

すべて相良刺繍です。 相良刺繍

というのはフランス刺繍でいえば

フレンチナッツですが、最も丈夫

で摩擦に耐える技法ですべりにくいことから男物の小物によく

つかわれます。単純な技法ですが、大きさや色を変えることで

微妙なグラデーションを表現できておもしろいです。

ただ 粒をそろえて隙間なく埋めるには熟練が必要で私は苦手

です。 中国で刺繍された安価な相良刺繍の帯や着物が出回った

ことが、なんだか相良刺繍の価値をさげたような気がしますが

私はとても好きなので、これからも作品に取り入れていきたいと

思います。

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コメント

また来ちゃいました
昔の刺繍は本当に大胆で、かつ繊細で、すばらしいですね。
いろんなお宝、楽しみにしていま~す

昔の刺繍をみて驚くのは意外に手を抜けるところは抜いているということです。でもそれで食べていくには当然なのかもしれません。ただそれが仕上がりにはひびいていないというのがプロなんですかね。
見えない裏の部分では5センチ以上も糸をとばしていたりして。
昨日はありがとうございました。今のところ控え室順調かな。

 こんにちは。仕事に疲れると、癒されにきております。。それにしても糸のマジックですね、そしてその糸から繋がるストーリーがとってもステキ!もっともっと作品がみたいです。写真もとってもナイスだし、コメントも洒落ていて、知らない世界を知るということは、とってもハッピーになります!はい、これからも世界に!羽ばたく刺繍の使者として、ますますご活躍くださいませ。。。
そういえば、馬の意味もやっとわかりました。。どうして馬の話が・・・不思議だったんです。刺繍は、森深い山のように奥が深いです。だから、余計に魔力がおおいのでしょうか。。目が離せませんーー

ハヌル様
癒されるなどといっていただけるとは、うれしいかぎりです。
今、ホームページを準備中です。なにしろ針を持たされれば
しゃんとするのですが、パソコンの前では腰が引けてしまって。
自力ではちょっと無理なので、また娘のちからをかりるつもりです。
その時には過去の作品も見ていただけると思います。

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