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2008年5月 4日 (日)

日本刺繍 技法①

 日本刺繍の技法はきちんと体系化されていて教科書もいくつも出版されています。

ですからここでは 実際刺繍してみて面白いと感じたことなどをお話したいとおもいます。

今日は 金糸の駒取りの中の平埋めという技法です。

Img_0216 これは檜扇の要と骨の部分です。

このように金糸を埋めたい図案の外周からひたすら

形に沿って埋めていくというやり方で隙間がなく

なるまでひたすらグルグルうめていきます。 

金糸をとじているのは朱色のぞべ糸です。 

拡大してみるとアラが目立ってはずかしいのですが、日本刺繍を始めて

2年目の作品です。 この技法が面白いのはとじ糸がもようになって

思わぬ効果がでるところです。 金糸の上に同じ金茶の糸でとじることも

ありますが、そのときも金糸の向きで光り方がちがうので単純な作業ですが

できあがると複雑で豪華にみえます。

Img_0205 次の作品もひたすらグルグルした作品です。

興福院袱紗の模繍の部分です。 

元禄時代の掛け袱紗の再現ですが、糸は縒りを

かけない平糸だけなので糸よりの手間がない分

駒取りの分量が多くて 毎日毎日金糸と格闘していました。

 駒取り刺繍といえば 中国刺繍や韓国刺繍にもよく使われますが、ヨーロッパの

伝統刺繍にも ゴールドワークと呼ばれる 金属糸の刺繍があってモールなども

よく使われます。

Img_0212 これはなんだと思いますか?画像が暗くて

すいません。

昨年の秋にソウルでみつけた 男性の韓服に

つける飾りです。 

韓国の時代劇をみると宮廷の文官や武官

たちが身分にあわせた胸あてと背あてをつけています。

その名残のようなものでしょうか。

 男性の韓服につける干支の刺繍の生地です。

二頭の馬が向かい合っている10×20センチくらい刺繍とさらに小さい刺繍が

二つあっって、三、四千円だったと思います。 こんなに細かい平埋めの刺繍が

そんな値段で買えるのですから、刺繍をやめたくなっちゃいます。

拡大していただけるとわかるのですが、埋める場面によってとじ糸の色もかえて

いて実にきれいにさしてあります。このほかに鶏や虎や龍などいくつか買って

きました。これをつかって 何か袋ものを作りたいと思っています。

今回は写真がうまく撮れていなくてすいません。金糸の照り返しで明るくすると

なんの写真かわからなくなってしまって苦労しました。 写真の加工も今後の

課題です。

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コメント

すごい。
私の「桧扇」はアップに耐えません(笑)

桧扇の平埋は上手には出来なかったけど
楽しかったのを覚えてます。

興福院は、もっとアップに耐えないので
本部置き去りの刑です。
皆さん引き取られたんですね~

あおもり様
韓国刺繍の刺繍パッチは写真が悪くてよくみえないと
思いますが、かなりよくできています。いくつか買ってきたうちでは
これがいちばんじょうずで、 龍の刺繍などはなんかヘテクソでわらっちゃうんだけど かわいいんです。 これを見てると刺した人の手元には
いったいいくらの手間賃がはいってるんだろうと考えてしまいます。

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