美しい刺繍の小物 Ⅱ ~半襟編 ①
金木犀の香りとともに秋がやってきましたね。いよいよ着物の季節
到来です。 今日は母の実家にあった刺繍の半襟をお見せしようと
思います。 一回目は子供の半襟です。 少し刺繍の技法の解説なども
薄いピンクの縮緬に白い菊と赤い菊が刺してあります。
細い白のより糸で花びらはたてなりに中心は抜きになんかさくさくと
縫ってあります。 ごまつぶのように散らしてあるのは平銀の細い
もので裏を見るとなるべく裏糸が長くならないように散らしているの
ですが、けっこう3センチくらいも飛んでいるところがあったりして
昔の職人さんはけっこう大胆です。 赤い菊の花は白いより糸を放射状に
縫った後 間を赤の平糸でうめています。 これは簡単でかわいいので
まねしてみようかと思います。
全体にあっさり刺してあって半襟は所詮消耗品ですし、ましてや子供のもの
ですから、ささっと刺しましたという感じです。
これは絽縮緬地に橘の模様です。 こちらの方が少し手が込んでいます。
金糸も使われていて 初夏の礼装用でしょうか。 ほんとに限られた時期
にしか使えないものですね。
これはなんの花でしょうか、植物音痴の私にはちょっとわかりません。
着物の端切れにさしてあります。 これはだれか素人が刺したもの
かもしれません。
戦争中母の実家には遠縁のつてをたどって刺繍の職人さんが疎開して
いたんだそうです。 たぶんその人が刺して置いて行ったであろうような
着物の端切れになんにするでもなく刺繍された生地があります。
~贅沢は敵~などと言われた時代に腕をなまらせないための練習だったの
ではないかと想像するのですが、、、、、、
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