糊問題
日本刺繍だけでなく気のむくままにいろんな手芸に首をつっこんだので
今までいろんな糊を使ってきました。 日本刺繍の仕上げには私は正麩糊を
使いますが、これは小麦でんぷんの糊です。 そのほか合成の糊や布海苔
または洗濯のり(無添加のもの)などさまざまな糊がつかわれているようです。
さてノリゲのためにわざわざ町田の富沢商店まで買いに行った餅粉ですが、
何に使うかというともち粉の糊をつくるためなんです。
刺繍した生地をボール紙に形通りに貼っていくための糊としてはこのもち粉の
糊が一番いいということなので煮てみることにしました。
いや~たいへんでした。 正麩糊よりずっと時間も腕力も必要です。
煮る量にもよりますが、40分以上とろ火にかけてかき混ぜ続けます。
休めません しかも正麩糊よりさらに日持ちしません。
ふ~ 伝統って肩がこる。 はじめはカルトナージュでつかう ヤマト糊と
手芸用ボンドをまぜて水で薄めた糊をつかっていてなんだかうまくいかなかった
のですが、もち粉の糊でなんとか貼り終えました。
手芸用ボンドはすぐにくっついてしまい修正しにくく、ヤマトのりは修正できる
けれども接着力に欠けるという欠点があるのです。
もち粉の糊はすぐにはつかないのでやり直すことができてかつ接着力があります。
ただ粘りが強いので竹べらを使って薄くのばしてつけるのがちょっとたいへんでした。
これから二枚一組にしてパイピングをはさんで綿を入れてかがればできあがり
です。 正麩糊も餅粉糊も伝統的に使われてきたものなので使っていて安心
なのですが、そのつど煮なければならないのと少量作れないので 使いきれ
なかった分は捨てることになります。
刺繍の仕上げにも
思い切って合成の糊をつかってみようかと思案中です。
« カフェ 中野屋 | トップページ | 銀座 気になるツアー »
「日本刺繍」カテゴリの記事
- 初めての日本刺繍 その三(2012.12.09)
- 初めての日本刺繍 その二(2012.07.17)
- 初めての日本刺繍(2012.05.29)
- チューリップのクッション(2012.01.30)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
40分ですかぁ〜 お疲れ様です。
私は、日本刺繍の糊ですら、もっと短縮出来ないかと思うのに...40分なんて耐えられない(笑)
習い始めていた頃、糊を煮るのに同量の水を使用したらあっという間に出来上がったけど粘りの無い使い物にならない糊が出来ました。人間失敗しないと上達しませんね。
他の方から教えられた「お玉で煮るのよ〜」は、目から鱗でした。
投稿: あおもり | 2009年11月24日 (火) 00時42分
あおもり様
もち粉の糊は先生からは一時間以上煮るように聞いていたんですが45分が限界でした。 正麩糊の場合は200ccの持ち手のついた計量カップで煮るんですが使い切ったことは一度もありません。
先日京縫いの下司さんの展示会で聞いたのですが、昔ながらの
せんたくのりを使うそうですが、それって洗うととれちゃうんじゃないかなと思いました。 合成の糊は経年の変化がちょっと心配ですね。 まぁ 私が生きてるうちはだいじょうぶかとは思いますが。
投稿: ahbon | 2009年11月24日 (火) 07時53分
私も糊煮るのいつもめんどくさいな~。と思っています。
下司さんの展覧会なんてあったのですね~。
投稿: ねこ年 | 2009年11月24日 (火) 10時56分
軽量カップかぁ~
それもアリですね。
お玉は持ち手が長いので熱くならず快適ですよ。
沢山は作れませんけど、一面仕上げなら十分です。
投稿: あおもり | 2009年11月24日 (火) 11時59分
最近はCMCを使っていますが、使い勝手はとてもいいです。
経年変化は、ほんと、私も生きてるうちはわからないんじゃないでしょうか・・・^^ヾ
ノリゲ、もう一息(といっても大変そうですが)ですね!
手が掛かる分、蓮華袋の比ではない高級感があります~
投稿: ノブ | 2009年11月24日 (火) 17時43分
ねこ年様
ほんとに刺繍だけでもたいへんなのにね。
糊付けはもっと楽な方法をためしてみたいと思います。
あおもり様
なるほど持ち手が長いのはいいですね。 みんないろいろ
考えてますね~
ノブ様
CMCというのは江戸刺繍組合の頒布会で買った糊と
同じものかしら。 一応水に溶かしてみたんだけど
どういう状態がベストなのかわからなくてまだ使っていない
んです。 今度会った時教えてね。 ノリゲ終わったら
ハコセコにとりかかります。
投稿: ahbon | 2009年11月25日 (水) 00時42分
カルトナージュって、ボンドとヤマト糊を混ぜて使うんですか~!
知りませんでした~!
それにしても、40分、、、?!
・・・・・・・・わたし、ゼッタイ、ムリかも~、、、(^^ゞ
投稿: きぬえ | 2009年11月25日 (水) 21時09分
きぬえ様
きぬえさんはカルトナージュのときはどんな糊を使いましたか?
先生によってはフランス製のボンドを使うかも。
私 料理だったら40分も鍋の中身をかきまぜるのは無理です。
きぬえさんはおいしいもののためならできるんじゃない?
投稿: ahbon | 2009年11月26日 (木) 00時48分
それが、お教室のときは、なんだか、大きな容器から、
ニュ~と、お皿に出してもらうのを、ぼんやり見ていたんです。
で、家では、木工ボンドしかないので、それで、やっつけてます、(^^ゞ
>きぬえさんはおいしいもののためならできるんじゃない?
ahbonさん、なんか、大きな誤解が、、、(^o^)
5分が限度です~、(^^ゞ
投稿: きぬえ | 2009年11月27日 (金) 19時57分
きぬえ様
そっか~ パンもこねないで作れるんだもんね。
今回の糊は2回失敗して三度目の正直でした。
けちって少量作ろうとしたための失敗です。
出来た糊はさすがに使い勝手がよいものだったので
急がば廻れという言葉が身にしみました。
投稿: ahbon | 2009年11月27日 (金) 20時34分
パンは、こねます!、三分ですが、、、(^^ゞ
投稿: きぬえ | 2009年11月29日 (日) 19時28分
おおーっと!
私もちょうど筥迫で「糊」について考えていたところです。
やはり日本刺繍には正麩糊なんですね〜。
私は先日、大工さんが使うという米糊に挑戦してみましたが、
あえなく途中で力つきあきらめました…。
餅粉もいつかは、、、と思っていましたが、経年の保存に絶えられるほど
自作品の完成度はあまりにもなっちゃいない!という結論に至り、
そんなこと考えるのは時期尚早と戒めております。
日本刺繍のようにすてきな作品ができた日には、100年以上保たせたいと
思うんでしょうが…。
投稿: Rom筥 | 2009年12月 1日 (火) 23時55分
Rom筥様
餅粉の糊については防腐剤を入れるということも聞いているので
今度韓国刺繍の先生に聞いてみますね。
ハコセコの職人さんについては探す努力を続けています。
12月3日から江戸東京博物館で伝統工芸チャレンジ大賞という
ものが開催されますので、そこでも情報を集めてきますし
他にも心当たりがありますので調べてみますね。
最近着物を着る方たちにハコセコを見直してもらえるよう
宣伝しています。 ほんとに全日本ハコセコ協会 または
ハコセコ連盟 作ろうかしら。 全セコ協 か全セコ連 なんちゃって
投稿: ahbon | 2009年12月 2日 (水) 00時41分