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2010年4月 1日 (木)

乾隆帝の幻玉

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原題「故都子民」 作者の劉一達は北京晩報の記者のかたわら 北京の下町

を舞台にした小説を多数発表する。 翻訳版 副題は <老北京骨董異聞>

老北京(ラオペイジン)とは 訳者 多田麻美さんによれば <先祖代々

北京に住む、いわゆる生粋の北京っこや、古い習俗や文化が残っていた開放前

の北京の街をさす言葉>だそうです。 作者 劉一達さんは私とほとんど同い年。

ということは青春時代は文化大革命の真っ最中、作者も労働改造の名の下に

北京郊外の炭焼き工場に送られます。 そこで出会った老骨董商から老北京の

骨董業界の裏話を聞いたことから30年の年月を経てこの物語が生まれる

ことになります。 作者は老北京の生き残りを探してはインタビューを繰り返し

執筆に10年をかけています。 玉器業界の古老をはじめ、物売り 妓女 

元宦官 役者 などからの聞き書きは膨大な量にのぼったようです。

そういう豊富なディテールの積み重ねによって目の前に広がった老北京ワールド

にワクワク、気がつけば私も胡同の片隅にたたずんでいました。

老北京の人たちは江戸っ子のべらんめぇ口調のような言葉を使っていたようで

原作ではそれが随所にちりばめてあるそうですが、訳本ではそこを再現するのは

ちょっと無理なのが残念です。作者の劉さんも巻き舌の生粋の北京っこだそうです。

今中国では経済力を握った人たちの間で骨董ブームが起きているようです。

海外に流出したことでかえって散逸をまぬがれた面のある文化財を買い戻したい

ということもあるとは思いますが、投機の対象にするのはどうなんでしょうか。

老北京にどっぷり浸りたい方におすすめです。

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コメント

フートン、って、行ったこともないのにノスタルジックな響きですよね。
その言葉を聞いただけでなんだかワクワクするような。。。
「蒼穹の昴」をワクワク、ドキドキしながら読んだこと、思い出しました。

pencilノブ様
私も胡同いったことないので町並みが残っているうちに
行ってみたいです。 この物語は清朝が崩壊した後
まだその名残りを色濃く残す北京が舞台です。 
今までイメージしていたこの時代の中国に具体的な肉付けが
出来た感じでこれからもう一度「蒼穹の昴」を読んでみるのも
いいかと思っています。

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