虎馬
昨年から母の通院に付き添っています。
通院の行き帰りは、母と一対一でよもやま話をすることになるのだけれど
結婚して実家を出てから、こんなにじっくりと母の話し相手になったことは
ありません。 時に父の悪口であったり、過去に経験した悔しかったことなど
グチめいたことも多いけれど、私が知らなかった母方の一族の歴史やら
エピソードなどはじめて聞くこともあって、そういうことだったかと腑に落ちる
こともしばしばです。
母は女学生の時に戦争真っ只中の世代、勉強したくても出来なかったせいか
また生来の真面目な性格もあって今でも向学心は満々です。
読書家なので同居している姉に頼んでアマゾンで本を取り寄せたりしています。
最近読み終わった本は「ナニカアル」桐野夏生著 だそうです。 先を越されました。
今は世界地図にはまっていて 中学生向けの世界地図帳を買って来て
眺めるのが楽しいそうです。< このあいだ地震のあったハイチってどこ?>
<力士の把瑠都の故郷 エストニアってどんな国?> そんな風に地図を
広げて想像するんだそうです。
そんな母が先日の通院の帰り道、ちょっと深刻な顔で 「最近、とっても怖い夢を
繰り返し見るの。」というんです。 その夢とは、、、、、、
義理の姉から電話がかかってくる、自宅の庭に動物園を造るように
と命令される。 しぶしぶ庭に動物園を造るのだが、母が毎朝 餌を
やりに行かなくてはならない。 ところがその動物ときたら 顔が馬で
体が虎かライオンのような動物で、母に襲いかかってくる。 そこで
恐怖で目がさめる。
母にとって小姑である義理の姉はもっとも母の苦手とする人物。 それにしても
体が虎で顔が馬? トラでウマ・・・・ トラウマ? 思わずふきだしてしまった私。
母は作り話や冗談など言える人ではないのでいたって大真面目。
母の頭の中でトラウマという言葉がヴィジュアル化してしまったとしか思えない
この架空の動物。 どうか一刻も早く母の心の動物園から虎馬たちが
一匹残らずいなくなってくれますように。
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