読書

2010年4月 1日 (木)

乾隆帝の幻玉

Img109

原題「故都子民」 作者の劉一達は北京晩報の記者のかたわら 北京の下町

を舞台にした小説を多数発表する。 翻訳版 副題は <老北京骨董異聞>

老北京(ラオペイジン)とは 訳者 多田麻美さんによれば <先祖代々

北京に住む、いわゆる生粋の北京っこや、古い習俗や文化が残っていた開放前

の北京の街をさす言葉>だそうです。 作者 劉一達さんは私とほとんど同い年。

ということは青春時代は文化大革命の真っ最中、作者も労働改造の名の下に

北京郊外の炭焼き工場に送られます。 そこで出会った老骨董商から老北京の

骨董業界の裏話を聞いたことから30年の年月を経てこの物語が生まれる

ことになります。 作者は老北京の生き残りを探してはインタビューを繰り返し

執筆に10年をかけています。 玉器業界の古老をはじめ、物売り 妓女 

元宦官 役者 などからの聞き書きは膨大な量にのぼったようです。

そういう豊富なディテールの積み重ねによって目の前に広がった老北京ワールド

にワクワク、気がつけば私も胡同の片隅にたたずんでいました。

老北京の人たちは江戸っ子のべらんめぇ口調のような言葉を使っていたようで

原作ではそれが随所にちりばめてあるそうですが、訳本ではそこを再現するのは

ちょっと無理なのが残念です。作者の劉さんも巻き舌の生粋の北京っこだそうです。

今中国では経済力を握った人たちの間で骨董ブームが起きているようです。

海外に流出したことでかえって散逸をまぬがれた面のある文化財を買い戻したい

ということもあるとは思いますが、投機の対象にするのはどうなんでしょうか。

老北京にどっぷり浸りたい方におすすめです。

2010年1月27日 (水)

愛情生活

Img095

長男が古本屋で買ってきた写真家荒木経惟の亡き奥様 陽子さんのエッセイ集です。

何年か前に長女が陽子さんが亡くなられるまでのことを写真に収めた

「センチメンタルな旅 冬の旅」を貸してくれたのですが、なんだか見ることが

できずにそのままになっていました。

陽子さんは天才アラーキーの妻として被写体として知られていますが、

「愛情生活」で夫婦の日常を気取りのない文章でつづっています。

世間体になどに縛られず、こびることも気負いもなく日々の生活を楽しんで

いる主婦 陽子さん。 いつのまにかすっかり好きになっちゃいました。

つまらない時には平気でつまらない顔ができる人っていいな~

夫であるアラーキーは見目麗しいという男性では全然ないんだけれど

陽子さんの手にかかるとほんとに魅力的な男性に思えてきます。 というか

ほんとにかわいい。 陽子さんがアラーキーの妻ではなくアラーキーが陽子さん

の夫だったのかも。 そしてついに センチメンタルな旅・冬の旅をひらいてみる

ことにしました。 陽子さんの亡骸の写真が含まれていることなどで物議を

かもした写真集です。 やっぱり見ないほうがよかったのかな~。

今日は陽子さんが亡くなられて20年目の命日です。 合掌

2009年11月 6日 (金)

プリンセス トヨトミ

Img092

今回から 読書のカテゴリーをもうけてみました。 とはいっても最近とんと

読書とはご無沙汰の私。 このままではいけないと重い腰を上げたしだいです。

本は嫌いではなく逆に読み始めると本を閉じることができなくなるので

他のことができなくなっちゃうんです。 この本もほとんどノンストップで読みました。

作者 万城目 学 さんの作品は 「鹿男あおによし」も「鴨川ホルモー」のいずれも

関西が舞台。両方とも映像化されています。 今回の舞台は生まれ故郷の大阪です。

それにしても タイトルがうまい。 つかみはOKって感じでしょうか。

こういう大風呂敷な話し大好きです。 パラレルワールドものというか、秘密結社もの

というのか。 大阪人にとっては郷土愛がくすぐられるでしょうし、関西に馴染みの

ない 大阪城もみたことがない私はかえって作者のうそに乗りやすかったです。

すぐにでも大阪に行ってお好み焼き食べたくなる一冊です。

最近のトラックバック

2014年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28  
無料ブログはココログ